消費税の端数処理|切り捨て・四捨五入とインボイスのルール

らく計算編集部|公開日:

消費税を計算すると、99.8円のように1円未満の端数が出ることがよくあります。この端数処理をどうするかで、支払う金額が1円変わることもあります。この記事では、お店での買い物と、インボイス(適格請求書)での消費税の端数処理のルールを、計算例といっしょに説明します。

端数処理の方法は3つ

1円未満の端数の扱い方には、次の3つがあります。

消費税の法律では、どの方法を使うかは決められていません。お店や会社がそれぞれ選べます。買い物では、お客さんに不利にならない切り捨てがよく使われています。それぞれの方法での金額は、消費税計算で端数処理を切り替えると比べられます。

商品ごとに計算するか、合計で計算するか

端数処理で金額が変わる大きな理由は、「どの単位で計算するか」です。税抜98円の商品を3つ買った場合(税率10%)で比べてみましょう。

計算のしかた消費税額支払い合計
商品ごとに計算(9.8円→9円を3回)27円321円
合計で計算(294円×10%=29.4円→29円)29円323円

商品ごとに切り捨てると、切り捨てる回数が増えるぶん、消費税が2円少なくなりました。商品の数が多いほど、この差は大きくなります。

インボイスの端数処理は「税率ごとに1回」

2023年10月に始まったインボイス制度では、適格請求書(インボイス)に書く消費税額の計算ルールが決められています。国税庁の案内では、端数処理は「一の適格請求書につき、税率ごとに1回」行う必要があります。

つまり、1枚の請求書の中で、10%の商品の合計と8%の商品の合計をそれぞれ出し、それぞれに1回だけ端数処理をします。商品ごとに消費税を計算して端数処理し、その合計を消費税額として書く方法は認められていません。一方で、切り捨て・四捨五入・切り上げのどれを使うかは、今までどおり自由に選べます。

8%と10%が混ざるときの計算例

食料品(軽減税率8%)が税抜1,234円、日用品(標準税率10%)が税抜567円の請求書を、切り捨てで計算すると次のようになります。

8%の消費税:1,234円×8%=98.72円 → 98円

10%の消費税:567円×10%=56.7円 → 56円

請求額:1,234円+98円+567円+56円=1,955円

このように、税率ごとに分けて1回ずつ端数処理します。8%と10%を合計した金額にまとめて税率をかけることはできないので注意しましょう。

値札の「総額表示」との関係

2021年4月からは、お客さんに見せる値札や広告では、消費税を含めた支払い総額を表示することが義務になっています(総額表示)。そのため、税込価格を決めるときにも端数処理が必要です。税抜価格から税込価格を出すときの端数をどう扱うかは、お店が決めます。

セールの割引も、割引後の金額で端数処理が行われます。割引後の価格を確かめたいときは割引計算、税込の合計を何人かで分けるときは割り勘計算が便利です。

まとめ

ここで紹介したのは一般的なルールです。実際の申告や経理処理については、税務署や税理士にご確認ください。

よくある質問

レシートの消費税が1円ずれているのはなぜですか?

お店によって端数処理の方法や、商品ごとか合計かといった計算の単位が違うためです。どの方法も認められているため、1円程度の差はよくあります。

インボイスでは切り捨てしか使えませんか?

切り捨て・四捨五入・切り上げのどれを使ってもかまいません。決まっているのは、1枚の請求書につき税率ごとに1回だけ端数処理をするという点です。

税込価格から消費税額を出すときも端数処理は必要ですか?

必要です。税込価格に10÷110(8%なら8÷108)をかけると端数が出るので、選んだ方法で1円未満を処理します。

8%と10%の商品をまとめて計算してもいいですか?

インボイスでは、税率ごとに合計を出してから、それぞれ消費税を計算します。税率の違う商品をまとめて計算することはできません。